確定申告をする際に、重要になるのが源泉徴収票の金額です。
徴収票は支払者が支払った金額を証明するものであり、所得税を仮にどれだけ納めたかが分かる書類です。
毎年、勤め先の会社で発行されていますが、見慣れた項目を全部理解できているでしょうか?
理解できれば確定申告を簡単に自分で理解しながら行う事ができます。これから詳細に見ていきましょう。
源泉徴収票は3種類
源泉徴収票には3種類があります。
- 給与所得用
- 退職金用
- 公的年金用
それぞれを年末調整や確定申告に使用します。
源泉徴収票の項目の見方
徴収票には、どれだけの給与所得であるか、控除額、所得税額、実質の給与受取額が記載されています。
計算方法は、給与所得から控除できる金額を差し引き、課税所得を出します。
課税所得に所得額に応じた税率をかけて確定申告に必要な所得税を出します。
支払金額とは年収の事です。給与所得控除後の金額とは、給与の年収の金額によって控除額が段階的に違いますので、一定の式に当てはめて算出されるものです。
こちらは正しい更新されたものが国税庁のサイトにありますので、確認してみましょう。特に平成28年と29年分では変更されていて、1000万円以上の収入の控除が若干減りました。
次に、所得控除の合計額のひとつひとつの明細の項目を見ていきましょう。
「社会保険料」とは、雇用保険料、介護保険料、健康保険料、厚生年金保険料の合計額です。
「生命保険料の控除額」ですが、こちらは10~11月頃に生命保険会社から送られてくる生命保険料の控除額を記入します。送られてきたハガキは申告の際に添付が必要になります。
「地震保険料の控除」は、生命保険と同様に損害保険会社から送られて来るはがきに控除額があります。こちらもハガキの原本を確定申告に添付しますので捨てないようにしてください。
「配偶者控除」「配偶者特別控除」は、婚姻届を出した配偶者の年収が103万円を超えない場合は38万円の控除が受けられ、103万円以上~141万円までの配偶者がいる場合は控除の内容が3万円~38万円の金額になります。
「扶養控除」は、平成22年に改正があり、子供(15歳まで)の扶養控除はなくなり、特定扶養控除が19歳から23歳になりました。その場合は、子供の年収が103万円を超えると扶養控除が受けられません。
次の源泉徴収額とは、一年間に源泉徴収で納めた仮の所得税の金額の事です。
源泉徴収票から確定申告書への転記
確定申告するためには源泉徴収票から数字を転記しなくてはなりません。その概要を説明しましょう。
確定申告の申告書第1表の左側の上部収入金額等の欄に数字を転記します。給料の申告の場合は、源泉徴収票の支払金額が対応しています。
次に控除額を引かれた1の欄に「給与所得控除後の金額」を記入し、6~9の欄まで控除金額を転記します。16を計算して記入し、その他源泉徴収票以外に控除する項目があればもれなく記入します。
確定申告の書類の右側の「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」38に徴収票の「源泉徴収税額」の欄の金額を記入します。
復興特別所得税は、平成23年に東日本大震災の復興のための財源確保にと創立されましたが、個人で税金を納める人は、平成25年から平成49年まで支払う義務があります。
復興特別法人税に関しては平成26年の税制改革で一年前倒しで廃止が決まっています。復興特別所得税は、今のところ変更ありません。
申告書の作成
申告書を計算する作業は、国税庁のオンラインで簡単に作成することができます。申告書をプリントアウトするだけの作業であれば、マイナンバーカードの登録も必要なくページの項目に沿って入力するだけでソフトが計算してくれます。
住所や数字を入力しながら最後まで進むと、控えの分まで印刷される機能があります。そして住所から最寄りの税務署の宛先までプリントアウトされますし、転記で間違えることもなく簡単です。
電子交付の源泉徴収票
会社員は一般的に、住宅ローンなどを開始する場合や、中途退職して新たに職場を変える等の特別な事が無い限り、年収2000万円以上の場合にしか確定申告は必要ありません。
会社で源泉徴収票を電子交付されプリントアウトされたものは、原則確定申告では使用できません。
その場合は会社で書面で交付してもらう必要があります。電子交付は支払い側のメリットとして、いったんシステムを立ち上げてしまえば印刷や封入などの手間を省くことが可能になり、利用する会社が増えているようです。従業員側も申告には使えないもののプリントアウトしていつでも見ることが可能です。
しかし、e-taxでは電子交付された徴収票を送信して利用する事が可能です。この徴収票を本物だと立証するのが支払者の電子署名です。
電子署名を送信する事によって税務署に認証されることになります。ただし、定めにのっとったデータ形式で作成されたものしか、受け付けてもらえません。